今年度の制作活動開始です

今年もほのおの会の活動が開始でき、うれしい限りです。

5月23日に勉強会として井戸尻考古館で小松館長から「井戸尻遺跡群が栄えていた時代の日本列島」と言うことで、同時代にあった中部高地や日本列島に点在する遺跡に出土する品々の類似性・相違性などについてのお話を伺いました。

ほのおの会は土器作りのサークルではあるけれど、と言って遠慮がちに当時の生産活動の特質を考えるためには欠くことができない石器のお話し、中心的な土器の文様、それがアレンジされていったであろう土器の文様、と、縄文中期と言う時代を鳥瞰図的に見たお話が大変興味深かったです。

6月6日、7日から制作活動を開始しました。まず始めにお借りする土器は3点井戸尻遺跡出土の土器です。

いつものゆとりろ、いつもの仲間と新しい仲間、今年もお世話になる先生です。

まずは粘土を練るところから始めます。100回くらいは練らないといけません。今年の粘土は水分が多くて、しばらく、乾かさなくてはなりませんでした。硬いと成形しにくいし、柔らかすぎても積み上げていけません。自分で何とかしなくては!!粘土の扱いは、ほんと、試行錯誤です。

土器はこのような形からスタートするものが多いですね。底を作り、粘土紐を積み上げていきます。まっすぐに立ち上げたり、広げていったり、つぼめていったりしながら形を整えていくのですが、忘れてならないのは土器の内側。どんなに装飾が施されている土器でも、食器であったり、煮炊き用の用具であったわけで、内側はとてもきれいに整えられています。見えるところの施文も丁寧にしなければなりませんが、この見えない内側をなおざりにはできないということを、土器片一つ一つが教えてくれています。

2018年の勉強会の時、土器片について語ってくださった小松館長が教えてくださいました。「内側を丁寧に。縄文時代に生きた人の思いを感じながら土器作りをしてください」と。

エピローグからプロローグへ

作品の集大成である野焼きを終えて終了したかに見えた今年の活動でしたが、来年に向けての序章「粘土作り」を忘れてはなりません。今年は13人の会員以外に、賛助会員の方たちも多く作品作りに励んだので、100kg以上の粘土を使い、在庫0状態になりました。頑張って粘土を作らねばと、先週今週、火水の4日間、皆で精を出してやりましたよ、粘土作り。

前回のブログでもお伝えしましたが、石取り作業です。石があると機会に挟まり停止してしまうため、細心の注意で石を除去すべく、土をおせんべい状態にしていきます。

ここでは、土・砂・少量の陶土を軽く混ぜ合わせています。砂は土に対して2割ほど陶土はほんの少しちぎった感じで入れています。

混ぜた土を機械に投入です。土の様子、機械の動き具合を見ながら、水も足していきます。

粘土が出てきましたよ。粘り気がしっかりついた粘土のようですね。

水分の蒸発を考えて、1kg強づつ袋詰めしました。並んだ並んだ、何と160kgの粘土が完成しました。ゆとりろ地下の室で静かに眠り、熟成して、来年の幕開けを飾ってもらいましょう。おやすみなさい。

おまけ:収穫祭に出店しました。創作土器やドライなはすの花托、花炭など販売しましたが、待っていましたと言ってくださる方もいて、大変うれしかったです。

2022年10月12日 野焼き

前日の11日は、こんな夕焼けが西の空に見えていて、明日の天気は大丈夫と確信しました。

当日12日の朝は、こんな朝焼けでした。朝焼けは雨になる??とちょっと心配でしたが、寒くなく、暑くなく、絶好の野焼き日和になりました。いつもの手順に沿って、まずは焚火をして燠を作ります。

その間、さらなる乾燥と温めのために、土器を周囲に並べます。

燠を広げて土器を並べて行きます

しばらくいぶして、頭のてっぺんまで黒く煤けさせます。

これくらい黒く色変わりしたら、いよいよ、本格的に炎の中に包み、焼きます。

焼きあがりました

それと並行して、別のミッションも遂行中。「古代米と汁ものの縄文調理」です。縄文土器は原則、調理器具であり器でありと生活道具だったのです。お皿とお椀は竹で作りました。

そんなこんなで、今年の野焼きも、事故もなく(人の事故ですが)無事終わりました。感謝です。

追伸:今年は甲斐駒が雲に隠れて姿を現してくれませんでした。だから‥‥‥

サングラス、帽子、覆面、皮手袋、これは野焼きの定番衣装です。

来年の干支 うさぎ流行り

今年も、なんだかんだと10月に入り、ほのおの会の制作活動も来週の野焼きを残すのみになりました。大きな作品作りが一段落したお仲間も多く、小物づくりや粘土作りの準備などをしています。お仲間の作った、「うさぎ」の数々。癒されてください。

「どんなお化粧をしてくれるの?」   「結構気に入ったよ、ありがとう」

「あなた、まだお化粧してもらってないの?素敵に色を塗ってもらってね」

「おなかがくすぐったい!」       「お耳がいい気持ち!」

うさぎの声が聞こえてくるようなかわいい作品たちです。

追伸:こちらは粘土作りの準備中。粘土質の土をおせんべいのように薄くして石を取り除く作業、もくもくとやってます。

さあ、12日の野焼きを楽しみに、良いお天気になあれ!

はすのかたく取り

ご無沙汰しているうちに、ここ富士見ではすっかり秋も深まってきました。散歩をしていると、木々の葉は少しずつ色づき、ヤマグリがたくさん落ちています。とげに囲まれた栗の実は、林の中の動物が割って食べているようで、きれいにイガを割って実を出しているようです。痛くないのかな?

そんな秋の一日、昨日ははすのかたく取りを行いました。秋晴れの気持ちの良い日でした。

はすのかたくとは、にょきにょきと葉の間に出ているものです。

それを‥‥‥

はす田の中に胴長靴を履いて入り、取ってきました(結構過酷!足が抜けないとか、ころんじゃうとか)

何に使うのか?お楽しみに。穴の中から顔を出しているもの、それこそがはすの実です。まだ青く、柔らかいうちは食べられますが、この季節だと固くなっているものが多いですね。

はすの茎にはかたくにあいた穴の数だけ穴が開いていて、それは、地下の蓮根にまでつながっています。蓮根の穴はそこから始まっているのですね。葉にも穴が開いています。葉の中心部に穴をあけて茎をストロー代わりにお酒を飲む、像鼻杯と言われ、ハスの香りがうつったお酒が絶品です。葉は乾燥して近年、人気のはすの葉茶もできます。また、茎から出る微かな繊維で糸を作っている方もいるようです。はすは、お釈迦様の台座を仰せつかっている植物だけに、利用価値の高い高貴な植物なのですね。

お仲間と一緒に和気あいあいと久しぶりの野外活動をして、高校生(?)の修学旅行のように記念撮影をして、楽しい時間でした。

追伸:こんなサイトを見つけました。はすのことが詳しく出てます。

「ハスの花の中ってどんな感じ? 不思議な花托や雄しべや雌しべ」https://pino330.com/archives/6764

現在 過去 未来

富士見町の友好都市である多摩市で、7月15日から29日まで、市役所ロビーにおいて富士見町及び、井戸尻遺跡群のPR展示が行われました。

地元の方の作った復元土器を展示したいという、多摩市の要望を受けて、考古館からほのおの会にお話があり、水煙渦巻き文土器と始祖女神像をお貸しすることになりました。

ここに展示されたものは、二人のお仲間が作ったものですが、水煙渦巻き文土器を作られた方は他界されていて、ご主人からお預かりしてあった土器の中の1点を今回、お貸ししました。5000年ほど前にこの地に住んでいた縄文時代の人の作品が、現代の方に、その方は亡くなられていても、受け継がれていると言ことです。

この方の活動の記録、この水煙渦巻き文土器を作っている姿がほのおの会の画像に残っていました。

この年は水煙紋土器が大流行で、この机だけでも、制作中のものが4点ほど並んでいます。2009年の記録です。この方の作品が市役所のロビーを訪れた方々の目に触れて、縄文に想いを馳せることの一助になったとすれば、この方の思いはつながっているのでしょうね。

そして、未来へ、この子たちが大人になるまで、この井戸尻の風景が平和な時を刻んでいくことを切に願います。

コロナ禍の中で

一昨年は、コロナ禍の中、活動を休止しました。昨年は、ソーシャルディスタンスに配慮しつつ、時短で活動し、野焼きにこぎつけました。今年もコロナ感染拡大に配慮しつつ活動しています。そんな全体の様子をご覧ください。

粘土を積み上げていく時、模様を入れていく時、皆、寡黙になります。”もくもく”と仕上げていきます。作品との格闘は楽しい時間です、おしゃべりがなくても。

追伸:「おかお お顔 Okao」の続きです

上は遮光器土偶の”お顔”、下は埴輪の女の子が”かくまき”をかぶっている風情の”お顔”です。つぶらな瞳、被り物、何ともGoodなマッチングですね。このように作品に濡れタオルをかけるのは、前にもお話ししましたが、乾燥を防ぐためです。

久しぶりに観蓮会が開かれました。

観光協会主催の観蓮会が開催されたのは2019年以来と言うことになります。

大賀蓮は、井戸尻史跡公園の池に咲くハスの中では、最初に見ごろを迎えます。しかし、朝の早い時間にしか見事な開花は見られません。朝7時、たくさんの来園者の方が魅せられていたようです。

その観蓮会に協賛して、井戸尻応援団の軽トラ市も開かれました。地元の方たちの手作りグッズや、ほのおの会の仲間が作った土器も並べられています。新鮮野菜も売られているのです。

井戸尻を応援する地元の方たちの手作り品、どれもかわいいです。

追伸:癒しのハナちゃん

お顔 おかお Okao

土器作りサークルであるほのおの会ではありますが、個性豊かにいろいろなものを作っているというお話は以前していたと思います。今年も、土器土偶だけでなく、埴輪やオリジナル作品に挑戦している仲間もいます。その中で、今回は「かお」に注目したいと思います。

これは、ご存知「トトロ」 どうです、この可愛さ♡

これは埴輪の顔、進行形の顔 なのです。そして、完成の顔

お目目が二つとも、ぱっちり、すっきりあきました。美人系のおかおです。

つぶらな瞳と言えば、この埴輪馬の目!

これこれ、シーサーの「あ、うん」のご夫婦目。「悪いことは見過ごさないぞ

という、決意が見て取れませんか?

と、言うように、作り手が個性的なら、作品も個性的、の一言に尽きますね

4週目、水曜日の活動記録

熱気あふれる、土器、埴輪工房です。

右が左になる、その後はトトロになる。

制作途中。左はゴブレット風土器 右は?? 何になるかお楽しみに

暑い日でした。29日は原村のアメダスが33.1℃の観測史上最高気温を観測した日です。皆さん、「暑いな」が合言葉でした。ゆとりろは木に囲まれていて、涼しい施設ですが、それでも、6月なのに扇風機が登場しました(例年は8月です)梅雨明けも早い分、暑くなるのも早くなった年なのでしょうか。その上、皆の熱気、暑いはずです。