何ができるかな? 答えは‥‥

前々回の「何ができるかな?」の答えです。まず、ラグビーボールのようなものは‥‥

かわいいイノシシの土鈴になりました。ベンガラで赤くお化粧しています。

キノコの形をした球状の物は‥‥

前後に口が開いて‥‥

飾りがついて、香炉形の土器になりました。

面白い作り方をするものですね。この土器をお借りすることはできなかったので考古館の館長が丁寧に何枚も各方面から写真を撮ってくれて、それを見ながら作っていました。本物が目の前にあるのと違って平面の物を頭の中で立体的に変えながら作っていくのはなかなか難しい作業です。とても、よくできていると感心しました。

おまけ

これは何かというと‥‥‥

縄文の耳飾りです。大型のピアスですね。まねて作ってみましたが、縄文時代の人のようにきれいにはできなかった。何個か挑戦してみたいと思っています。

耳飾り豆知識

縄文時代全般を通して装飾品の中でも、耳飾りはたくさん出土していますが、後半期から晩期にかけての北関東では質、数ともに他を圧倒していて、特に群馬県茅野遺跡では調査部分だけで577点もの耳飾りが出土しているそうです。耳たぶに穴をあけて、小さいものからだんだんと大きなものをはめ込んでいったのでしょう。縄文時代を生きていた人のおしゃれ感には脱帽です。

 

ほのおの会勉強会

ほのおの会では、毎年、制作を開始する前の5月下旬に今年の制作意欲に火をつけるべく、井戸尻考古館を訪れます。お借りできる土器であれば貸し出しをお願いし、先日のブログで書いた4点をお借りすることになりました。

今年は、その際に小松館長にお話を聞く機会を先生の計らいで持つことができ、普段はなかなか見られない”土器片”を見せていただきました。

富士見町の縄文時代の遺跡は中期中葉が最も多いのですが、その前後の遺跡もあるということで、その、時代の違う遺跡から掘り出された土器片を分類して比べて説明してくださいました。

新しい時代になるほど薄くなっていくのがよくわかりましたが、共通して言えるのは、どの土器も(どの土器片も)裏側をとても丁寧に仕上げているということです。井戸尻の土器は表面の模様に過剰といえるほど手を加えていて、今までそれだけに目を取られていたように思いますが、これらを作った人々はきっと、土器作りの最後の最後まで手を抜かなかったのだなとつくづく、感心した次第です。そのことを教えていただいて、その後館内を見学してみると、見慣れた土器もまた違うように光を放って見えるから不思議です。

午後には、先生に土に混ぜる砂の大きさにより、器肌の滑らかさが違ってくること、粘土を※水簸(すいひ)する方法など粘土のことについてお話を伺いました。

次の日は前々館長の小林公明氏に八ヶ岳南麓に展開する縄文遺跡のお話を聞きました。北杜市、富士見町、原村、茅野市にまたがる縄文遺跡群は国内でも稀有の地域だったのではないでしょうか。

年度初めに研修を積んで、意欲満々で土器づくりに励んでいます。

※水簸とは‥土粒子大きさによって水中での沈降速度異なるのを利用して,大きさの違う土粒子群に分け操作陶土細粉粗粉分けたり,砂金採集する場合などに用いる(三省堂 大辞林より)

おまけ:トロロブームはまだまだ続く。トトロって女の子?

 

何ができるかな???

今回は、何を作っているのだろう?と、不思議に思うもの特集です。このようにして作るのかとちょっと、感心するものです。

手の中で、細かい模様を入れて作っているものは何でしょうか?

この、香炉の上についているちょっと意味不明の生き物です。上に3匹、奥に香炉を覗き込むように1匹ついています。この香炉形土器は確かに富士見町で出土したのですが、今はこの町にはないものです。縄文人も一つ一つ手作りしたのですね。

そして、作り途中の下の二つ、何になるかわかりますか?

手始めはこれです。中は空洞で、キノコのような形です。

次は、これ。やはり中が空洞のラクビーボールのような形

はてさて、何ができるのかお楽しみに。進行具合は追ってお知らせします。

追伸:ちょっと癒しの縄文顔