はっくつ 発掘

今年の5月から8月にかけて、2か所の発掘現場を見学することができました。そのうちの1か所では2,3日、発掘作業に参加し微力ながらお手伝いさせていただきました。どちらも、深さ2,30cmの溝が掘ってあります。その表面を鋤簾(ジョレン)と言う道具で平らにしながら遺物を見つけて行く作業です。

遺遺跡Ⅰの方は埋め込まれた石が多く露出しています。

遺跡Ⅱ、ブルーシートで覆われている部分は住居あとで、今後、詳しい発掘作業が始まります。多くの穴が開いています。

これは、遺跡Ⅰの発掘現場から出た、土器片です。模様もしっかり確認できます。きっと、美しい土器だったのではないでしょうか。

遺跡Ⅱの右側の土器片は、松本方面の遺跡からの出土土器に多く見られる模様だそうで、遺跡Ⅰの模様と趣がちょっと、違っています。左側は落とし穴、深さは何と2メートル以上あります。手前だけ掘ってありますが、向こう側に楕円形をなす、穴であろうということです。イノシシなどならこれほど深くなくてもね、とか、ここに鹿でも落ちたらどうやって引き出すのかなとか考えてしまいます。もちろん、機械もない時代によく、こんな深い穴が掘れたなと思うのが初めの驚きですが。

富士見町にはまだまだ、縄文時代の遺跡にだけ限っても、地下にお宝が眠っているようです。遺跡Ⅱはソーラー開発地区での緊急発掘調査で、今後、このような発掘が増えるかもしれませんね。

「地下にお宝」と言いましたが、ダイヤモンドが埋まっていなくても、石ころ一つだって私たちに縄文時代を知らせてくれる大切なお宝です。昔、月に初めて人間が降り立ったころ、「月にダイヤモンドがたくさんあるかも知れない。そうしたら大金持ち」と言うコメントを見たことがあるのですが、ダイヤでなくたって、石ころだって月の石なら、月を知る上で大変な価値です。遺跡で見つかったものはどんなものでも愛しいのではないでしょうか。5000年もの時を経て、私たちに姿を見せてくれたのですから。