日別アーカイブ: 2024年10月24日

さかのぼって制作活動 №2

今回はこの土器、井戸尻で一番有名な土器、曽利遺跡出土の「水煙渦巻き文深鉢」見る者も、作る者も魅了する土器です。もちろん、気合が入らないとできませんが‥‥。今年はレプリカをお借りして2人のお仲間が作っていました。

胴体部分は、上の広がりに気をとられて広がっていくように思ってしまうのですが、ほぼ、寸胴に立ち上げていきます。左右に付く大型の把手は大小に差があり、中は空洞。この帽子のような、耳のようなものの上に渦巻き文を付けていくのです。

左では、ざっと、模様が入りました。右上の画像のようにつけた把手には、さらに、粘土紐で盛り上げ、周囲には鼻のような突起、把手の下にも2段階の模様というように重量が増していきます。そこで問われるのが胴体部分と、左右の把手とのバランスです。把手が壊れ落ちてしまったり、胴体自体が崩れてしまったりと心配の種は尽きません。それに、これから模様をいかにきれいにしていくかという課題もあります。

完成と思っても、色々目について直したくなります。「縁はもっときれいにしなきゃ」「竹管の線、曲がってる」などなど。気になったら切りがない、仕上げの作業です。

この水煙文深鉢は人気があって、毎年、誰かが作ったり、作ろうかなと思ったりする(挫折あり)土器です。上の画像は2009年のものです。亡くなられた方もいるのですが、たいへん懐かしい画像です。この年は何と、5人のお仲間が水煙文深鉢を作っていて、立派に焼き上げていました。鳳凰三山、甲斐駒をバックにしたこの風景、変わらず美しいです。